「……のんさ、今俺に言った事、そのまま結夢に伝えなよ。悪いと思ったら謝って、ムカついたら素直に怒って。そーゆうのが大切なんじゃない」

そして、いつもの悪戯っ子みたいな顔で笑った。



一番簡単な事。


でも一番大切な事。


気付かせてくれた誠に、心の中で大きな声でありがとうを言った。




「まぁ、俺も結夢の意見に賛成だけど、俺は霧島がどんな奴か知らねーし、何も言わないよ」


あたしはその言葉に、素直に怒った。

やっぱり叶チャンを悪く言う事はムカつくし許せない。


「誠や結夢にはそーゆう風に見えるかもしれないけど、あたしは叶チャンを信じてるんだから、そんな事言わないで」

誠は笑って「その調子」と言った。




そんな風に叶チャンと結夢の話をしていたら、二人にむしょうに会いたくなった。


「早く帰ろ♪」

誠にそう言って、自分の机に掛かっている鞄を取り、足早に教室を出た。