確かに図星だった。

「あたしは誠、イイと思うけどなぁ」

「何言ってんの!あたしも誠も、そんな気ないよ!」

思わず、両手で持っていたメロンパンを握り潰すところだった。

結夢はそれを見て少し驚き、また笑った。

「霧島クンとの事はあたしも中学の時は応援してたけど……卒業してから、何か変わっちゃったじゃん」

「……………………」

「それまではずっと、霧島クンものんを好きだと思ってた。でもさ、最近の霧島クンは……ただのタラシじゃん」

「そんな事ない!!」

あたしは身を乗り出し、大声で否定した。

結夢がそんな事思ってるなんて、心外だった。

「叶チャンの事そんな風に言うなんて、結夢の事見損なった!」

怒りは頂点に達し、メロンパンはいつの間にかぺしゃんこだった。

あたしの言葉に結夢も怒りを露にした。

「のんが目ぇ覚まさないからでしょ!あたしは霧島クンを許せない!傷付くのんを見たくない!」

結夢は机を叩いて立ち上がり、教室を出て行った。


昼休みなのにしんと静まり返った教室。

残されたあたしは、クラスメート達の視線も気にしないで突っ伏した。