思い出は、尽きなくて……
“他の誰も知らない俺を知っていって欲しいのは、のんだけだから”
美姫に嫉妬したあたしを、諭してくれた誠。
“俺のとお揃い”
初めて誠と一つになった次の日の朝、薬指に光るペアリング。
“のん、俺を信じて……”
美姫の事で誠をさけていた時、初めて見た誠の涙。
“のんに出逢えて良かった”
屋上であたし達の家を眺めた、誕生日。
“……幸せになろうな”
夕日が海に触れる瞬間、約束した二人の幸せ。
他にも、沢山の思い出があって。
思い出が溢れてきて。
「誠……まこ、と……うぁぁッ…うッ、うぅッ…うぁぁあぁぁッ!」
泣き叫んだ。
喉が枯れるくらい、涙が枯れるくらい、泣き叫んで、泣き叫んで……
それでも、もう誠と付き合っている証は無くて。
「誠ッ、誠ぉ!うぅぅ…うぅッ、うあぁぁッ…!!」
もう、戻らない。
戻らない事、あたしは知ってる。
あたしの心の中には、いつも叶チャンが居たから。
これからも……