二人が別れた。
遥が夜中、俺の家に突然泣きながら押しかけて来て、その事を知った。
突然、言われたらしい。
「東京には連れて行けない。別れたい」と。
理由は言わず、ただ遥を突き放した良樹。
遥からその事を聞いた次の日には、もう良樹は居なかった。
何処に行ったのかも、良樹の家族に聞いても教えてはくれず、いつの間にか、その家族も居なくなっていた。
それから程なくして、遥は妊娠した。
俺と、遥の子供。
理不尽な良樹との別れからの、寂しさや虚しさを感じていた遥。
俺はそんな遥を支えるフリをして、つけこんだんだ。
遥は俺達の子を産むと言った。
そして、俺達は結婚した。
俺は定職に就き、小さいけれど、庭のある一戸建てを借りる事も出来た。
その家の隣には、俺達と同じくらいの歳の夫婦がいて、奥さんは妊娠していた。
きっと俺達の子と、同級生になるんじゃないかな。
自然に俺達夫婦と、隣の夫婦は親しくなっていった。