文化祭が終われば、すぐに修学旅行。
あたしはお母さんに
「しっかり料理するのよ」
と言って、お母さんに笑顔で見送られながら、朝早くスーツケースを引き、誠と学校へ向かった。
お母さんとは、こうやって普通に話せる様になってきた。
少しずつだけど、家庭に温かさが戻ってきている。
お父さんとも、土曜と日曜は一緒に夕ご飯を食べる。
お母さんとあたしで作った夕ご飯を、「美味しい」って言って笑顔で食べてくれるんだ。
学校に着き、一度体育館に集まって、それから空港へ向かう。
あたし達の修学旅行先は北京。
三泊四日。
楽しみだけど、ちょっと残念な事もある。
あたしは2組で誠は7組。
偶数クラスと奇数クラスは、一緒に行動しないらしい。
観光地も逆に回って行くみたい。
会えるのはホテルでだけ。
もう……何でよッ!
これは陰謀!?
あたし達を陥れようとしてるの!?
あたしはこの寂しい気持ちを、機内食を大口で頬張る事で表した。