「結夢チャンは、ちゃんと相手を見てた?相手を本当に好きだった?自分ばかり、好かれる事を望んでたんじゃないの?」
ピロリンは辛そうな顔をして、それでもそう言うのは結夢の為だよね。
タカヤンが言っていた。
“結夢は俺を好きなわけじゃない。初めはそれでも良かったし、いつか俺自身を好きになってもらえればイイって思ってた。
でも、もう俺も限界だったんだ。
好きな人が傍にいるのに、付き合っているのに、二人で居ても孤独だった”
ねぇ結夢、タカヤンは結夢を愛していたよ。
だから辛かったんだよ。
愛すれば愛する程、孤独を感じてたんだよ。
「結夢、タカヤンも辛かったんだよ。ピロリンが言った事、タカヤンも言ってたよ」
結夢はそのまま、大粒の涙をもう止める事なく、流し続けた。
結夢も、分かっていたのかな。
結夢の事だから、きっと分かっていたんだよね……
その後、あたしと結夢は校門へ向かった。
まだそこにはタカヤンが居た。
結夢とタカヤンは見つめ合うと、お互い同じ様に眉をひそめながら微笑んでいた。
あたしは少し離れた場所で二人を見守る。