そんなあたしの気持ちを知らない誠は、「そ?」と言ってかき氷を自分の口に入れた。

「頭いてー」


そう言って頭を押さえながらも、爽やかに笑う誠。



もうダメッ!


「あ、あたし、海入ってくるねッ」


その笑顔にやられてしまったあたしは、ドキドキする心臓をしずめる為、浮輪を持って海へと駆け出した。




誠って、毎日毎日進化してんのかな。

日に日にカッコ良くなってくような気がするのは気の所為かしら。


裸だって初めて見るわけじゃないのに!




浮輪に入って、ぷか〜と浮かびながら考える。






――叶チャン、どーしてるかな。

そーいえば最近の叶チャンの事、何にも知らない。

何で誰とも付き合わなくなったのかな……。








て、あれ?


何でここで叶チャンが出てくんのよ。




さっきまで誠の事考えてたじゃん、あたし?







あたしは何なんだろ……。





好きなのに。



誠の事、大好きなのに。




どーしてあたしはいつも、叶チャンを思い出しちゃうんだろう……。



溜め息を吐いて辺りを見渡すと、もう随分沖に流されている事に初めて気付いた。