あたしは思わず周りをキョロキョロした。
「のん食わないの?」
「えッ!?あぁ、食う食う」
あまりに挙動不審な行動をしていたらしく、誠に心配されてしまった。
それから取り敢えず、あたし達はビニールシートに座った。
あれ、そーいえば誠の分のかき氷がない。
隣を見ると、ピロリンはいかにも体に悪そうな色をしたブルーハワイをバクバク食べながら頭を押さえて悶えていて、結夢に笑われていた。
「誠は食べないの?」
「俺はのんの食うから。ダメ?」
誠はニコッと笑い、あたしのかき氷に刺さったストローのスプーンを氷ごと引き抜いて、あたしの口元に持ってきた。
「はい」
こ、これは……
あーんってヤツ?
「いらない?」
「い、いるッ」
そう言ってあたしは、口を開けた。
すると、口の中に冷たい氷が入れられた。
でも冷えたのは口の中だけで、顔は、太陽の陽射しを浴びる体よりも熱くなった。
「美味い?」
「う、美味いッ」
「じゃあ、はい」
また口元に氷を持ってこられた。
「ま、誠食べてイイよ」
恥ずかしさから、あたしは俯いた。