結夢はタカヤン一筋だから、ピロリンなんかになびかないよ〜だ。
心の中で舌を出した。
「のん元気になったね。もう大丈夫?」
結夢の安心したような優しい微笑みに、あたしも笑顔になった。
「うんもう大丈夫。色々ありがとね」
「なら良かった」
結夢はいつも無理矢理に聞いてきたりはしないで、見守ってくれる。
でもあたしが弱音吐くと、優しい言葉だけじゃなく、厳しい言葉も掛けてくれて
他人に興味のない結夢は、どーでもイイと思ってる人に怒ったりはしないから。
そこにいつも、あたしは友情を感じるんだ。
「ロリおもしれぇ顔ばっかしてんなよ。あだ名増えるだろ」
「なッ、面白い顔って何よ」
「目ぇ腫らして俺にあだ名つけられる前に、相談しろよ」
ピロリンも……心配してくれてたのかな。
全然素直じゃない言い方だけど。
ピロリンらしいような気がする。
「うん、了解」
笑顔で返すと、ピロリンも優しく笑ったような気がした。
叶チャンは、朝礼が始まる直前に教室に入ってきた。
それと同時に、あたしの胸の鼓動は激しくなった。