それからあたし達は、購買で売れ残りのパンをテキトーに買って、教室へ戻ってきた。
あたしは売れ残りのうぐいすパンを食べながら、美姫の事を考えていた。
何だかちょっと、可哀相だった。
美姫は、どーしてあんな顔をしたのかな……。
はぁ。と溜め息を吐くと、結夢は「気にするな」って微笑んだ。
でもあたしが気にしてる事と、結夢が思ってるあたしが気にしてる事は、きっと違う。
「おッ、二人揃って余りもんかよ」
「ピロリンお弁当?」
ピロリンはお弁当を持って、あたしと結夢が向かい合って座っている席の隣に腰掛けた。
「そッ、愛母弁当♪」
ピロリンはニッタリと笑った。
「愛母弁当って。彼女じゃないんだ」
「弁当作ってくれるよーな女なんて、母チャンくらいしかいねーよ、俺」
結夢のツッコミに、ピロリンは沈んだ。
「あれ、中條クン彼女いっぱい居るんじゃないの?」
「いねーよ、マジで。俺の女は母チャンだけさ」
「去年、女はべらして廊下闊歩してたじゃん」
そう言って、結夢はニタニタ笑った。