「カピバラって知ってる?あんた、それに似てるからカッピー」

中條クンがそう言った時、叶チャンと結夢は同時に「ぶッ」と吹き出した。


カピバラって何よ?

結夢や叶チャンは知ってるみたいだし。


「可愛いって事だよ」

中條クンが言うと、また叶チャンと結夢は吹き出した。


「ちょっと何よ!?二人共教えてよ!」

「のん、そっくりだわ」

「結夢、笑ってないで教えてってば!」

ケタケタ笑いながらあたしを見て言う結夢。

叶チャンも笑いを堪えるように、口元を手で隠している。

「カッピーが嫌ならロリね。あんた顔ロリっぽいし」

「はぁぁあぁぁ!?」

「「ぶッ」」

「そこ、二人共!何笑ってんのよ!」



――て、あ。

なんか、今自然に叶チャンと接してる。


口元を手で押さえている叶チャンと目が合った。

そして目元は、微笑んでいるように見えた。



何だろう、この気持ち。

あたし、この微笑みが大好きだった。


胸が締め付けられる。

涙が出そうになる。


公言しても、自分の気持ちにけじめなんてつけられなくて。

それでもあたしは最後のあがきに、この気持ちに気付かないふりをした。