「どんな願い事した?」
「誠が……。誠が、幸せになりますように……って」
「どーせなら、俺“が”じゃなくて、俺“と”って願えよ」
誠は苦笑して、あたしの頭をワシャワシャと撫でた。
「もぉ、やめてよバカ殿」
そんな風に怒ってみても、自分でも微笑んでるのが分かった。
「みんなと、幸せになれればイイな……」
鼻の頭に触れた、冷たい雪はすぐに解けて、雫に変わった。
その後、教室に戻ってから誠に誕生日プレゼントを渡された。
それは、綺麗なホワイトゴールドのネックレスだった。
帰りに誠の家に寄ると、誠の家族があたしの為に、誕生日パーティーをしてくれた。
あたしが家に帰っても、誰も居ない事を家族に話した誠。
それを聞いて、パーティーを開いてくれた誠の家族。
あたしは号泣した。
ねぇ、家族って、温かいんだね。
人って、温かいよ。
それを感じる度、あたしは叶チャンの事を想って、自分の家族の事を想って、胸が凄く痛くなるんだ。