「あたしの事、いつから好きだったの……?」
「多分、隣の席に座った時から、好きだったと思う」
それって入学した時からじゃん。
夏休みより前からだよね。
好きな人が居ても、誠はそーゆう事しちゃえるんだ。
「美姫チャンの事、好きだった事ある……?」
「あいつは……美姫の事は、妹みたいに思ってた。恋愛感情とかは持った事ない」
そう聞いて、嬉しいのか悲しいのか分からない。
じゃあ何で美姫チャンと?
そう、聞けたらイイのに。
「……そっか」
これ以上、聞けない。
聞きたくない。
「俺の昔の事、話してイイ?」
知りたい……。
でも、知りたくない。
それがあたしに取ってイイ事だったら知りたいけど、嫌な事だったら知りたくないよ。
なんて、いつもあたしは見ないふりをしてる。
誠の事知りたいって思ってたのに、知るのが怖い。
過去なんて関係ないって。
過去があるから今の誠がいるって、そう思える強さは、あたしにはない。