服を着て洗面台の前に立つと、赤い顔をした自分がいた。


左手を顔の前でかざし、鏡ごしに見る。



あ、顔がニヤける。


自然と笑顔が零れる。



何度も何度も、左手と鏡を交互に見た。



そしてまた笑顔。





もう〜!あたしこんな幸せでイイのか!?


誠ってば、こんな嬉しい事してくれちゃってぇ。





鏡の中で笑う自分を見ると、また胸がときめいた。




「あれ?」



キスマーク……。



首筋に、昨日までは無かった赤い模様があった。



それを確認すると、また昨日の事が頭を埋め尽くす。



「き、昨日……。あ、あたしってばぁ……」


心臓が激しく動き始め、顔も真っ赤に染まり、誠の体温を思い出した時



「おはよ」


後ろから声を掛けられ、そのまま抱きしめられた。



「お、おはよう」


鏡に写るのは、真っ赤な顔のあたしと、その鏡に写ったあたしを愛おしそうに見つめながら、後ろから抱きしめる誠。