「家、上がってイイの?」
「うん、明日も誰も居ないし……」
――て、あ。
明日も居ないって、泊まってって言ってるよーなもんじゃない!?
あたしのその言葉に、誠は顔を赤らめた。
や、やっぱりそーゆう風にとらえられたよね。
「と、取り敢えずここじゃ寒いし、家入ろう」
あたしは焦りながら、家の鍵を開けようと誠に背を向けた。
すると、遠慮がちに腕を掴まれた。
「俺、ヤバイかもよ?」
そう言った誠の顔は赤くて、でも、少し潤んだような瞳は、真剣だった。
「……だ、大丈夫。取り敢えず、入って?」
自分でも何が大丈夫なのかは分からなかったけど、何て言ってイイのか分からなくて、でも誠と離れたくなくて……。
あたしの腕を遠慮がちに掴んでいる誠の手を、今度はあたしが握って、家に招き入れた。