美姫はきっと、誠の手がこんなに温かい事を知らない。


誠の心臓が、こんなにドキドキしてる事を知らない。



チョコレートが食べれない事や、そのいきさつや、他にも色んな事、あたしは知らないけど。


この温もりは、あたししか知らない。

美姫は知れない。



誠の特別を知ってるのは、あたしだけだから。



美姫が知っている誠は、これから少しずつ知っていけばイイ。


あたしは、あたししか知らない誠を、これから沢山知っていけるから。



だから、あたしも――……