――約束の日曜日。
あたしと結夢はプレゼントを買って、例の喫茶店に来ていた。
午前中から待ち合わせをして、デパートや百貨店をハシゴして散々悩んで、決まったのは3時前。
あたしは誠に香水を。
結夢はタカヤンにネックレスを選んだ。
「決まって良かったねぇ」
「男にプレゼントなんて買った事ないから、迷っちゃった」
結夢はブラックコーヒーを飲みながら、溜め息をついた。
結夢はきっと、男の人からプレゼントを貰う事はあっても、結夢からあげたいって思う事は今までなかったんだろうな。
「気に入ってくれるとイイよねぇ」
「あたし達から貰うプレゼントを、気に入らない奴なんていないって」
結夢は自信たっぷりに答えた。
でもこの自信あり気な態度は、自信のない自分自身を勇気づける為に言ってる事を、あたしは知ってる。
あたしは微笑んで頷いた。
窓の外を眺めると、初めて来た時には見えなかった、ウェディングドレスが飾られているショーウインドーが見えた。
前回は暗かったから、きっと見えなかったんだな。