『なッ、別に寂しかったわけじゃねーし!』
誰も聞いてないのに、誠は自分からカミングアウトする。
寂しかったんだッ!
誠、寂しかったんだッ!
てか自ら暴露してるしッ!
あたしは、誠の『何笑ってんだよ!?』って声を無視してひとしきり笑った後、涙を拭きながら意地悪な質問をした。
「へぇー、寂しくなかったんだ。あたしは寂しかったのになぁ。誠は寂しくないんだね」
『のッ、のんは結夢と居たんだから、寂しくなんかなかっただろ』
「……寂しかったよ。結夢と誠の話してる時ね、スッゴク恋しくって、スッゴク会いたくなった」
柄にも無い事言ってるけど、どーしようも無く誠を恋しく思っていた。
その気持ちは声を聞いたら尚更強まって、意地悪な質問をして困らせてやろうと思ってたのに、何だか涙が出そうだった。
『……ホント?』
あたしのいきなりのカミングアウトに驚いたのか、少し間があった。
「ホントだよ」
だからあたしは即答した。
この気持ちを分かって欲しくて。