結夢は一瞬怯んでから、意を決したようにぬるくなったコーヒーを一気に飲み干し、話し始めた。
「あたし、大勢で遊ぶのとか嫌いなの知ってるでしょ?」
「うん、クリスマスパーティーも嫌々付き合ってくれてたね」
中学の時に、毎年四人以上でやっていたクリスマスパーティー。
四人でさえ、結夢は少し嫌そうだった。
「そーなの。でもね、そのバーベキューは十五人だったのよ、じゅーごにん!」
その時の事を思い出したのか、うんざりした顔をした。
「そ、それは大勢だね」
「でしょー!?だからあたし、少し離れた所で、一人でジュース飲んでたの。でもあたしの気持ちなんてまるで考えない奴らがさ、話し掛けてくんのよね。メアド教えてーとか。ナンパよナンパ」
嫌だ嫌だと言う顔をして、まるで蝿でも払うように手を振った。
「でね、その中の一人がお酒持ってきてさ。飲まなきゃやってらんないと思って飲んだの、そしたら……」
結夢、まるで仕事に疲れたサラリーマンみたいな事言うな。
と心の中でツッコんだ。
「そ、そしたら?」
ツッコミに気付かれないように、あたしは話を促した。