「……や、やめてッ!!」

そして誠を思い切り突き飛ばしてしまった。


誠はよろめき、尻餅をついた。





やめて……


触らないで……



呼吸が乱れる。


脚が震える。



誠は尻餅をついたまま、あたしを見上げている。

その表情は、驚きの顔の下に、悲しそうな顔も覗かせていた。



それを見て、あたしは我に返った。



「ご、ごめん!大丈夫!?」

「あ、いや。俺こそ、いきなりごめんな」

そう言って誠は立ち上がり、着ていたブレザーをあたしの腰に巻いた。

「スカートは折らない事。切ってあんだから十分短いだろ」

「わ、分かった……」


あたしが頷くと、誠は満足そうな顔をして宮下クンの元へと歩いて行った。




――もしかしてパンツ、見られた!?



と恥ずかしくなったけど、そんな事より……。





誠、ごめんね……




あたしはあの日以来――


あの日って言うのは、誠に嘘ついて叶チャンの家に行った日の事。

その日以来、あたしは誰かに体を触られる事が怖くなった。