「のん、クリスマスプレゼントどーする?」
「あ、考えて無かった」
「ちょっと、もう今月だよ!?彼氏がいる女がそんなんでイイわけ?」
結夢は呆れたように首を横に振った。
「だって、毎年あたしと結夢と……まぁ、大勢でやってたじゃん。あんまり実感湧かないし」
毎年、あたしと結夢と……叶チャンとその友達何人かでやっていたから。
あたしのプレゼントは、手作りケーキと、ハンバーグだった。
「今年はお互い彼氏と過ごすんだから、ちゃんと考えなさいよ」
「はーい……」
暖房が効き過ぎて暑くなった教室を出ようと、あたしは席を立った。
「あ、そーいえばね……」
結夢は何かを言い掛けた。
でも、その先の言葉を中々言わない。
そして少し気まずそうに、あたしを見た。
いつも強気な結夢にしては、珍しい行動だ。
「何?」
「あのね……霧島クン、真希って女と別れてから彼女作ってないんだって」
「……そッ」
あたしはにっこり笑って教室を出た。