「凉菜」


「ゆー…すけ」


ギュッ


やっと、捕まえた。


「無理して笑ってんじゃねーよ」


「ごめ…」


「別れるとか言うんじゃねーよ」


「本当に…ごめ…さ…」


「バカ」


初めて見たお前の泣き顔は本当にブサイクだった。だけど、俺にとってはブサカワに見えたわけ。


「別れること…勝手に決めるな」


「だ…って可愛いコ…たくさんいる…優輔…あたしがいなくなったら、すぐに好きなコが…でき…」


「ません。お前しかいねーよ」


凉菜のまわす腕の力が、少しだけ強くなった。


「……お前が大阪だろうがブラジルだろうが、どこへ引っ越したって俺は別れる気はないから」


「……うー」


「大阪のたこ焼きの味、俺専用のグルメリポーターになって教えてくれんだろ?」


「う…ん」