それからも学校まで、凉菜と手を繋いで走った。もちろん、凉菜の瞳を気にしながら。
「凉菜ぁー!!」
「お別れなんて嫌だよぉ!」
そして教室に入ると、一斉に女子が凉菜を囲み出した。男子も近寄ってくる。
クラスメートに、凉菜の引っ越しは那都が知った日に担任から伝えられた。
その時のみんなの反応は、那都が予想した通りだった。教室に、驚愕の顔がいっぱいだったな。
「みんなごめんねー。前にも言ったけど急に決まっちゃって…」
「凉菜だけ残るとか出来なかったの?」
「寂しすぎるよー!」
「大宮のバカっぷりが見れなくなるとか退屈じゃん」
おい、最後のヤロー誰だよ。ただでさえバカな凉菜を余計バカにすんなよ。
イライラを収めようとふと黒板を見た。すると、凉菜へのメッセージで溢れていた。