「毎回聞かれて教えてたら、優輔のケータイはパンクするよな!」
ケラケラ笑いながら、机を叩く那都。そんな那都を見てため息を吐いた。
俺だけ独占欲が強いみたいで、ガキみたいで…情けないな。
俺は凉菜を誰にも取られたくないって焦ってるのに、凉菜は違う。
やっぱり、凉菜には届かねーや。
「……俺、カッコ悪ぃ」
「ん?優輔らしくていいじゃん」
「独占欲が強いのが?それ、嬉しくないから」
凉菜の引っ越しが迫っていてただでさえ不安が募ってんのに、こういう些細なことでもメンタル面が危うい。
時計の針が進むにつれて、俺の不安も積もっていく。
授業中、凉菜の名前が呼ばれると本人よりも瞬時に反応する、俺。
どうしようもないくらい、凉菜しか眼中にない。