「…海里さん、薬、ください」

「はいはーい、…って、はっ?
恭くんが薬!?」



事の経緯を話すと、大笑いされた。


仮にも、病人を笑うのはやめて欲しい。

頭に響いて痛いってのに。



「まぁ、その子はさすがね。声の変化に気づくなんて、観察力が半端ないわー!」


確かに。


「その子に感謝して、今日は保健室で大人しくしてったら?」

「そうさせてもらいます」



きっと、新生活に慣れてきた気のゆるみからきた風邪だろう。

佐藤が言うように、決してバカな訳ではない。