本当に、こいつを目を覚まさせるのは、一苦労だ。 「佐藤」 「だって、…暑い…」 「そんなのみんな同じです。今からそんなじゃ、夏本番になったらどうするんですか」 暑いと言う割には、汗が滲んですらいないさらさらの白い肌が、目にまぶしいほどで。 そのせいか、俺は少し立ちくらみを覚えた。 「ほら、」 「せんせ」 突っ伏した頭を少し上げ、まだ眠そうな眼で俺を見上げた佐藤。 その上目遣いのせいなのか、また立ちくらみが襲った。