「ち…っ」

初めて先生の舌打ちを聞いたなとぼんやり思う。

そして、それなら放って置けばいいのにとも思う。

どうせ私は寝てるんだから、放って置けばいいのにと。



「皆さん、少しの間自習にします。テキストの問題を解いておくようにー!」

どうせやらないのだろう、はーい、とみんな揃えての返事が返ってきた。


「佐藤、立てるか?」


先生が左の耳元で言うけれども、私は応えられない。



別に、このままでいいです。



そう思ったけれど、次の瞬間には体がフワッと浮いた。


きゃーっ!とうるさい声が聞こえる。