先生と彼は、違うところが多すぎて。

このまま比べていれば、思わず泣いてしまいそうだ。



「…はぁー…、泣くなよ。」

「泣いてないです」


まだ泣いていない。

でも、すでに心は泣いていた。



私は、先生の前に差し出していた手を引っ込め、俯いた。


これ以上、下手な醜態を晒すのは避けたい。

周りの女子のようにメイクをしているワケではないが、泣いた顔は誰だってそれなりにひどいものだ。


さすがの私でも、そんな顔を見られるのは嫌だ。

彼にすら見せたことはなかったんじゃなかっただろうか。