「おはよ!」
3年生になってずいぶん経つのに、隣の細田くんは相変わらず無愛想で。
女子からもだんだん人気が出てきたっていうのに。
「…細田くんって、なんで笑わないの?」
「俺、ですか?…あぁ…笑っちゃいけないから。」
「何で笑っちゃいけないの?」
やっぱり迷惑なKYな質問だったようで。
それ以上は何も教えてくれなかった。
「笑ったらかっこいいと思うんだけどなぁ~…」
ハッとしたらとんでもないことを口にしてしまった。
パニック。
誤解されてないかな!?
「あ、そ、その、」
「大丈夫。」
細田くんはほんの少し頬をあげた。
そのときにできた笑窪が悠太に似てる。
駄目だなぁ、あたし。
細田くんと悠太を重ねてる。
重なってる細田くんをどうしても放っておくことができなかった。