「繭、今年はクラス一緒だよ!」

「うわぁ!ホントだ!」




そして2年前、
忘れ去られたころに、この街に戻ってきた。




「…そろそろ、あたし以外の人にも心開きなよ?」

「え…無理無理。」




事件以来、繭は本当に信頼している人にしか心を開かなくなった。
莉子は悠太たちと同じような幼馴染。
莉子以外の人で、本当に心を開いている人はいなかった。




「あ、だれこれ?」

「細田優汰…転校生かな?」

「絶対そうだよ!あたしねぇ、記憶力だけはいいんだ♪」

「いやいや、3年間もいれば、人ぐらい覚えるでしょ(笑)」

「…そうか?」




”ゆうた”という響きに、
とてつもない不安を感じていた。