新しく買った可愛い帽子を、どうしても見せたくて、 早く見せたくて、夢中で走った。 「じゃじゃぁーん♪」 桜の下にあるブルーシート。 きらきらしてる太陽。 踊っているかのように舞い落ちる、花びら。 青いシートに目立つのか、赤いものが流れてた。 それを目にした途端、目の前にいた人が倒れた。 「お…お兄ちゃん?」 自分のすぐそばで倒れこんだのは、 まぎれもない、お兄ちゃんだった。