「な、今日サボらへん?」

コイツは重岡大毅。
あたしの幼なじみで、あたしの好きな人。
容姿端麗成績優秀、おまけに優男。
モテる要素を完璧にそろえている。

だけど洋服のセンスはないし、
性格もちょっと残念。

告白する女子は意外に少ない。

「あほ!」
「真面目やな~、藍は。」
「当然やん。さ、はよ乗せてや。」
「ぶー。」

あたしたちは幼なじみ。
やからチャリの後ろにも
乗せてもらえるし、
何をするにも一緒にできる。

"大毅が好き"
胸の奥にしまってある気持ちを
伝えちゃったら、この関係は
崩れてしまう。

中学のとき、仲が良いってことで
大毅との関係をからかわれたりした。
その度に、大毅は「ただの幼なじみ」
そうあたしとの関係をそういってきた。

対象外。

分かってたからあたしは
あたしの気持ちを伝えられなかった。

でも、あたしたちももう高3。
来年は大学で、大毅と同じ大学に
行けるとは限らない。

もし違う大学にいって、
大毅が女の子を好きに
なっちゃったらって思うと、
あたしの心は不安でいっぱいになる…。