「誠って、顔に似合わず心配性なんだよね。


最後まで、自分のアパートの隣が空いてるから栄治に借りてやれって、言い張ってたんだよ。


リーシュコードに家賃出すほどの黒字なんかないって、よく分かってたくせに」



 なぜか誠は最初の頃、栄治の住み込みにいい顔をしなかった。



 玲子がいくら栄治本人の希望であることを説明しても、



全員の個室には鍵を付けておけだの、

栄治の下着の洗濯だけはお前は絶対にするなだの、

風呂上りに変な格好でうろうろするなだの、いつまでも細かいことを心配し続けていた。