「俺、合格だよね? ここに来ていいんだよね?!」



 やがて栄治が、派手に水しぶきを散らしながら誠の肩にとびついてくる。



「栄治、よろしく。

すごかったよ。昔、とーさんと誠からサーフィン習ったときのこと、思い出しちゃった」



 そして玲子が右手を差し出すと、栄治は急にはにかんで、

掌を何度も自分の水着でふいてから、ガラス細工に触れるようにそっとその指先を取った。



「よろしく。玲子先輩」