玲子は、その言葉で、すきま風が吹き抜ける自分の胸にぽっと灯がともるのを感じた。 小指のぬくもりをたどってみると、そこには誠の温かな笑顔がある。 その笑顔は、ボードと共に波に巻かれる幼い心と体を支え、 玲子はあっと言う間にサーフィンにのめり込んでいった。 すり傷も青あざもまるで気にならないほどに。