フロアに戻った玲子は、大きく窓を開けると朝一番の潮風を浴びる。



 磨き上げた青空を映す湘南の海では、

早起きのサーファーたちがまさに灼熱の季節を謳歌していた。
 


 そのとき、腰に伝わる振動が携帯の着信を告げる。



 玲子は、大あくびをしながら手探りで通話ボタンを押した。