「あれ、先輩起きたの? 今、朝飯作ってるとこ」



 栄治は、タンクトップ1枚でカウンターの向こうに立ち、忙しく働いていた。



そのとき玲子のお腹が、まるで応えるようにぐうと鳴る。



「パンとコーヒーと、サラダと、にんじんのポタージュスープとフレッシュジュース。

オムレツの焼き加減はどうする?」



「あ、半熟で」



 玲子は反射的にそう言うと、首の凝りをほぐしながら金茶の髪を追って厨房に入った。