ⅩⅡ エンドレス・サマー
今日は潮騒が近いなと思ったら、それはミキサーのうなる音だった。
まぶたの向こうに明るさを感じて、玲子は薄目を開ける。
めずらしく自分のベッドではない場所で寝たらしく、両膝が窮屈に曲がっていた。
そして次の瞬間、昨夜のことを思い出し、慌てて狭いソファーから飛び起きる。
なにかが床に落ちたと思ったら、それは栄治が羽織っていたシャツだった。
窓の外はよく晴れていて、空も海も目に染みるほどの青さだ。
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