「栄治、乗る脚が違うよ。

こっちじゃ抵抗できるから、2人ともいらない怪我するはめになる」



 やがて栄治の唇がキスを求めてきたとき、玲子は静かに言った。



 そのときその熱い身体は、古傷が残る玲子の左脚に乗っていた。



「レイプしろってゆーの?!

 違う、俺が欲しいのはそんなんじゃなくって。

 好きだったんだよ、本当に。

 俺をリーシュコードに拾ってくれたときから、ずっと」



「私も大好きだよ。誠と別れた今は、この世で一番かと思うほど」



「だったら!!」



「だったら、私を逃げ場にしないで。

 私はサーフィンの代わりじゃない。

 よりによって私が、栄治の新婚家庭に土足で踏み込むの?!

 そんなのって、最低じゃない!」
 


 玲子は、ひるんだ栄治の身体の下から這い出した。