玲子は、苦しげに咽を震わせ始めた栄治の肩を支え、

その背中をさすりながら、ビニール袋入りのバケツを引き寄せる。



 そして、離婚した栄治の両親は、中学校を卒業したばかりの栄治と、

誕生日や正月にさえも全く関わりを持とうとしなかったことを思い返していた。