「いっしょにリーシュコードで頑張っていくんじゃなかったのかよ?!

 俺に厨房の仕事も教えてくれるって、先輩、約束したのに!」



 その瞬間、叫ぶが早いが栄治は立ち上がり、右手の拳を構えた。



 今までぐったりと横になっていたことが、とても信じられないほどの動きで。



 真っ赤に濁った瞳は、制御不能の怒りに燃えている。
 


 そして栄治の拳は、驚きで動けない玲子を素通りし、

その後ろに膝を付く誠の顎をまともに捕らえた。