「……知ってた? 俺の初恋って、実は玲子先輩だったよ」



 そのとき栄治は、手を伸ばしてテーブルのランプを消すと、

目を閉じたまま玲子の肩にもたれ、さらりと言った。



自然に伸びた右手の指が、玲子の細い指先と絡む。



「なに言ってるのよ、酔っ払い」



 玲子は思わず吹き出すと、その手を払い、肘で栄治を押しのけた。