やがて緩やかに静寂のときは流れ、玲子は薄く目を開いた。 傍らで規則正しい寝息を繰り返す誠からは、 さっきまでの痛々しいほどの疲れは消えている。 玲子は、背を覆う冷えた汗に身震いすると、そっとコタツ掛けを外して誠の身体にかけた。 そのとき誠が目を開き、再び玲子を胸に抱きよせながら囁く。 「……頼む、俺と長野に来てくれ」 玲子は、一瞬自分の耳を疑った。