……今だけ、誠さんだと思っていいよ?



 それは、玲子の胸に爆弾を落としたことなど忘れたような、

屈託のない笑顔だった。



「……ったく、大人からかって!」



 玲子は、頭を抱えるとそう吐き捨てる。そして自分で自分を抱きしめながら、

次に栄治と顔を合わせるときには、

誠について何を言われても今までと同じ態度を通す決意を固めた。