「何か、弥生らしくねーな?」

「え?」

「俺のおごりだからさ。遠慮しないで好きなもん食えよ?」


恭ちゃんはニッコリと、真っ白な八重歯をのぞかせて笑った。


「恭ちゃん……」


最高に可愛い笑顔が。

あたしの胸を、一瞬で撃ち抜く。


その笑顔、反則だよ……


「何ぼーっとしてんの? ほら、行くぞ」


恭ちゃんはあたしの右手を握り、ゆっくりと指を絡めた。

一回り大きな掌が密着して。

心臓が、ありえないくらいドキドキした。