「ちょっ……何で泣きそうになってんだよ!」


恭ちゃんは、慌ててあたしの頭から手を離した。


「頭。触られんの嫌い?」


離した右手を、あたしの頬に添える。

少し冷えた指先が、火照った頬に気持ちよくて……

素肌で、恭ちゃんを感じてしまう。


だから嫌とか、そんなんじゃないんだよ。

恭ちゃんの側にいるだけで。

それだけで、泣きたくなるの。


変だよね?

小さい頃から一緒にいたのに。


恭ちゃんの気持ち知ってから、想いが止まらないの。

『スキ』の気持ちが心から溢れて。


涙になるの―――…