「何でだよ。ゲームは常にフェアじゃないとな。」
「意地悪。」
腹立ち紛れに軽く足をポンと蹴ろうとしたら、反対に足を掴まれた。
「離してよ。」
「今、俺を蹴ろうとしたろ。」
「してない。」
「嘘つけ。」
グイッと足を上に上げられてバランスを崩し、床にドタッとひっくり返った。
尊は覆い被さるように咲の上に跨がると、足で挟み込んで咲の足の自由を奪う。そして両手を万歳状態で抑えた。
「いくら咲が勝ちたくても、俺に勝てる訳ねえじゃん。」
「何でよ。ゲームやってる時間も同じぐらいでしょ。」
「残念でした。友だちんちで腕磨いてるもん。」
「えー!?そんなのずるい。」
上目遣いで睨み付けた。