「今からね、お友だちのところに行くの。」
「遠いのかい?」
「ううん。後少し。バイバイ。」
おばさんの前を通り過ぎると後ろから、「気をつけるんだよ。」と声が聞こえた。
おばさんと別れてしばらく行くと、よく買い物に行ったお店が見えてきた。
あ、カドヤだ。
パタパタと走ってお店の前まで行くと、急に気分が悪くなった。
う…、吐きそう。
何で急に…?
お店の前でしゃがんでうずくまった。
ちょうどお店のおばさんが店先に出てきて、「咲ちゃん?」と声をかけられた。
顔をほんの少し上げて声のした方を見た。
「おば…ちゃ…う…苦し…。」
「どうしたの?こっちにおいで。」