『どんな人だった?』 そんな時はいつもこう答えるんだ。 『何にでも一所懸命で一途だったよ。5歳の時からずっと好きな人はお父さんだったんだから。凄いだろ?』と…。 するとあの子はすかさずこう言うんだ。 『一途なのはお互い様じゃない。お父さんもお母さんが一生好きなんでしょ?』 娘の傍で咲が微笑んでいるように見えた。 fin.