カチャカチャ…

ガチャン…

何の音?煩いなあ。せっかく心地よくしてたのに。

人の話し声もする。ボソボソと何を言ってるのか分からない。

ああ…何だか身体が重くてだるい。力が入らない。

誰かが手を握った。
懐かしい感触。
この手を知ってる。
でも尊じゃない。
じゃあ、お義父さん?お義母さん?
…違う。

この手は…

あんなに重たかった瞼がほんの少し開いた。
でもぼやけてよく見えない。
真っ白な空間がぼうっと見えただけ。
またすぐに目を閉じた。



気がつけばいつも誰かが手を握ってた。
大きくて温かい手。優しく握って手の甲を撫でる。時折、頭にもそっと触れる。
頭を撫でられるとつい甘えたくなる。
でもまだ瞼は重くて開けられない。
こんなに疲れたのは初めてだ。
試合でもこれほど疲れたことはない。
まだゆっくり眠っていたい。